ICL(Implantable Collamer Lens)は、角膜を削ることなく、目の中に小さなレンズを挿入して近視・遠視・乱視を矯正する視力矯正手術です。手術では、折り畳まれたレンズを小さな切開から挿入し、虹彩と水晶体の間に固定します。目の構造を大きく変えることなく視力を改善できる点が大きな特長です。
このレンズは「有水晶体眼内レンズ」や「フェイキックIOL」とも呼ばれ、生体適合性の高い親水性素材「コラマー(Collamer)」でできています。コラマーはコラーゲンを含み、眼内で異物として認識されにくい柔らかな素材のため、目に優しい設計となっています。
ICLは、必要に応じて取り出すことも可能で、将来的な柔軟性にも配慮された治療法です。日本では2010年2月に厚生労働省より高度医療機器として承認されています。